景観と住環境を考える全国ネットワーク(景住ネット)の会員の方から、以下のような「季刊まちづくり」第40号(学芸出版)ご紹介のお便りが届きました。
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マンション紛争を無くすための法律。
さまざまに議論されていますが、多くの方が感じているように「土地が投機の対象になっている」という問題も大きいと思います。
田園調布や国立の住宅街は、100年前に開発されたイギリスの田園都市を参考にしたと言われます。
それを作ったハワードが考えたのは
自然との共生
職住接近
もうひとつ、開発利益の共有化でした。
ある土地が売却されると、マンションデベロッパーが購入し、敷地限度いっぱいのマンションを建てて販売して儲け、後には高層マンションとすっかり景観が変わってしまった住宅地が残る。
そこに共有する利益は無く、利益を得て儲けるのはマンションデベロッパーだけです。
でも、イギリスの田園都市がめざしたものは、町全体の土地を組合のような組織が購入し、住宅を建てて賃貸することでした。
その土地の開発が進むと環境が整い、地域の評価が上がり、地価が上がります。
そうすると、企業や商店に貸してもさらに大きな利益を得ることができます。
その利益は、開発に再投資したり、そこに入居する人たちに還元されるのです。
地域の環境を良くすることが、みんなの利益に繋がる。
だれか一人が儲けるのではなく、土地開発がみんなの利益になるところが重要です。
みんなの利益を考えれば超高層マンションではなく、低層の長屋風集合住宅+みどりいっぱいという選択肢もあったりするかもしれません。
こんな田園都市論。
実はかつての総理大臣・大平正芳さんが政策として実現しようとしていたのです。
「季刊まちづくり」最新号(第40号)に、大平さんの秘書官と五十嵐敬喜先生の対談が掲載されています。
他には
東京駅保存を実現した多児さん
景住ネットの会員で街並み保存連盟の山本さん
プランナーの野口さん
「都市開発を考える」の大野輝之さん
などの記事もあります。
ぜひご一読ください。
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